《民法》先取特権の効力:物上代位との関係 わかりやすく解説

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皆さんが苦手と思われる先取特権の項目、特に物上代位性について記載していきます😊

行政書士試験に向けて、一緒に学んでいきましょう💡

先取特権の効力:物上代位との関係

先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失、または損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる旨の規定があります(民法304条1項本文)。

ただし、先取特権者は、その払渡しまたは引渡しの前に差し押さえをしなければならない旨、同じく304条の但し書きで定められています。

具体的な事例

民法304条1項について、具体的な事例を出して確認していきましょう。

債権者Aは債務者B所有の高級テレビについて先取特権を有する立場にあります。

しかし、高級テレビが火災によって焼失し、高級テレビの競売代金から債権回収をすることができなくなってしまいました…😢

一方、債務者Bは火災保険金を掛けていたので、保険会社から火災保険金を受け取ることができました!

この場合、この火災保険金を差し押さえれば、債権者Aは火災保険金に対して先取特権を行使できる(物上代位性)、というものです。

物上代位に事例では保険金や転売代金債権がよく登場する印象です。

判例もチェックしましょう

先取特権の物上代位性について、チェックしておくべき判例がふたつあります。

(関連判例がさらにひとつあります。)

1.最判平17.2.22

動産売買の先取特権者は、目的債権(転売債権)が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後でも物上代位権の行使ができるか。

⇒ 物上代位権の行使はできない。

動産売買の先取特権は公示方法が存在していないので、譲受人の保護が必要になります。

このため、動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権(転売債権)が譲渡され、第三者による対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないという判決となっています。

関連判例で、これが先取特権者が主語ではなく、『抵当権者』が主語となる場合は結果は逆になります。

抵当権者は物上代位権を行使できます。

参考判例は最判平10.1.30ですので、あわせてチェックしてください!

(抵当権の分野で出てきます。)

こちらの場合は、第三債務者が二重弁済を強いられる危険は生じないため、抵当権者が保護されます(抵当権者の利益が不当に害されることを防ぎます)。

2.最決平10.12.18

こちらは少しマイナー論点です。

請負工事に用いられた動産の売り主は、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができるか。

⇒原則、物上代位権を行使することはできない。

しかし、請負代金全体に占める当該動産価格の割合や請負契約における請負人との債務の内容等に照らして、請負代金の全部または一部を動産の転売による代金債権と同視するに足る特段の事情がある場合には、物上代位権の行使が認められる。

過去出題されている判例なので、こんなケースもあるということで押さえておきましょう。

本日は、先取特権のテーマのうち、物上代位性について取り扱いました💡

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